専門分野に特化した総合物流関連事業を行っているクライアント様から、「随分前にお世話になったことがあったから」とご連絡をいただいたのが始まりでした。クライアント様は業界トップクラスのシェアを誇る大企業で、東京、名古屋、大阪、九州と全国に現場をお持ちです。今回は、それぞれの現場で活躍するマネージャーを集めて研修を行いたいということでご依頼をいただきました。
クライアント様には、会社としてより高い生産性を達成するために、「トップダウン型ではなく、ボトムアップ型の現場を作っていきたい」というご意向がありました。これを実現させるために、40代前後の企業の中核を担うマネージャークラスの管理職を集め、部下の指導力強化のための研修を行う、というのがクライアント様のご希望です。
ところが、最初に用件をお伺いした際は、具体的なイメージがあまり湧かないとのことで、クライアント様から詳細なご要望やご予定をお聞きすることができませんでした。
そこで、研修のイメージを掴んでいただくために、会場の下見をご提案いたしました。その際重点を置いたのは、研修の主旨をしっかりお伺いすること、クライアント様が何を求めていらっしゃるか理解すること、それに対して、私たちがどのようなサポートをできるのかお伝えすることの3点です。
久しぶりのご依頼ということで、クライアント様と私たちの間の関係がしっかり築けていない状態からのスタートです。そこで、クライアント様からのヒアリングの前に、どのような研修サポートを行うことができるか、どんな思いでお客さまと接するのかなど、私どもの姿勢を伝えることから始めました。
L stay & grow晴海で研修を行うことにどのようなメリットがあるのかを知っていただくために、「お客様ごとにセミナーサポートのコンシェルジュがつく」という弊社の最大の強みを重点的にご説明しました。お客様のご希望に沿った専門のコンシェルジュがつくことで、意思の疎通もスムーズになり、全面的な研修のバックアップをさせていただけるようになることをお伝えしたのです。
サポート体制がしっかりしていることをお伝えしたことで、クライアント様が研修実施の背景や、大切にしていることをお話ししてくださいました。そのなかで、「ボトムアップ型の現場」を実現するためには、上司と部下とのコミュニケーションを取る時間を大切にする必要があることがわかりました。
それが信頼関係の構築に繋がり、業務に良い影響を与えるのだ、とお話しいただいたことで、今回の研修の核となるポイントが見えてきました。
今回の研修には、3人1組、7グループで、上司と部下の面談を想定したロールプレイを行うという内容が含まれていました。このロールプレイにあたり、クライアント様には、会場面積が足りるだろうかというご不安がありました。そこで、レイアウト図を事前にお送りした上で会場を見ていただき、広さには問題がない旨のご説明をいたしました。
しかし、「上司と部下との面談」というロールプレイであることから、隣同士が近い状態で面談は普通行わないということ、もっと話しやすい環境で行うだろう、と考え、そのことについてもお話させていただきました。その上で、同じ階にある会議室をロールプレイの時だけでも併用されてはどうかというご提案いたしました。その後、他のご使用者との調整をした上で、研修会場にもっとも近い対面の会議室も併用することとなりました。
また、会場備品としてフリップチャートをつかいたいというご希望がありました。用途をお聞きしたところ、「グループでの話し合いにおいてメンバーの意見の書き出しに使う」とのことでした。
しかし、フリップチャートは複数人で書き込むにはあまり適していません。そのため、「模造紙をご用意するので、机の上において皆様で書き出されるスタイルはいかがでしょうか」とご提案したところ、発表の際には壁のマグネットバーを使って張り出すことも可能であるため、こちらの方が良いとのご賛同をいただきました。
研修後にはクライアント様から、研修成功についての感謝のメールが届きました。積極的にこちらからヒアリングやアイデア出しをすることで、クライアント様の研修意図を明確に理解し、具体的にどのように研修をすればいいのかというところまで落とし込んで、サポートすることができました。
打ち合わせ当初はあまり詳細な内容をお話いただくことができませんでしたが、自分から積極的に会話をしていくことで、研修の背景や意図、ご希望についてヒアリングすることができました。
効果的な研修を行うためにどんな環境が求められるのか、どうすればよりスムーズでストレスフリーな研修が行えるかということを積極的にご提案することで、研修を共に作り上げ、成功に導くことができました。